おすすめ本の紹介 まとめ①-⑤

こんにちは。みなさんお元気ですか?

この記事では私がおすすめしたい本を紹介していきたいと思います。

学生時代はほとんど本を読まなかった私が、突如として本を読み漁りだし(なぜ?)、本が好きすぎて書店で働くまでになってしまった(色々あり今は別の仕事してます)。今では本を読んでいないと何か落ち着かないくらい本に依存して生きています。なぜ人は本を読むのか、その理由は人それぞれだと思います。私が本を読む理由はなんだろう、単純に面白くて夢中になって読んでるだけかな。。

それでも、あえて言うならば素敵な本に出会えた時、自分の中にある世界が変わり広がりました。本は直接自分を助けてくれません。ですが困難な時に踏ん張れる力をいつのまにか与えてくれていました。美味しい食べ物が身体の栄養ならば、本や映画などは心の栄養といったところでしょうか。ここではそんな自分にとって大切な本を紹介していきたいと思います。

①「旅をする木」 星野道夫著(ノンフィクション)

自分的には心に潤いがなくなってきたなと思ったら定期的に読み返している本です。

Noel BauzaによるPixabayからの画像

星野道夫 人物紹介

アラスカで暮らし、大自然に生きる動物を撮影した写真家です。 北極圏の大地や、野生動物と共生する人々の暮らし、語り継がれた神話――。 星野はその鋭敏な感度で生命の輝きを捉えるとともに、数々の出会いを通じて思索を深めながら、「自然との関わり」を追い続けました。(アマゾン)より

感想

そんな星野さんが書いたエッセイなんですが、社会が豊かになっていき化学は進歩し生活も便利になった、なのになぜ人の心は満たされないのだろう、それどころか苦しんでさえいる。なぜ?その答えがこの本にはあるのかもしれません。

私個人の読んだ感想なんですが、星野さんは現代人の苦しみというものの答えが昔の自然と共に生きていた時代にあるのでないか、自身の体験からそう考えたのではないでしょうか。それは自然と共に生きる人々が、常に死を身近に感じて生きていること、他の生物の命を奪うことでしか人間は生きることができないと狩りなどを通じて肌で感じること、自分たちが自然に生かされているという畏敬の念。現代社会に生きる人たちにとっては感じることがないこれらの体験や感覚が今のこの社会に必要なことなんではないか、読み終わった後にそう思いました。

IhaksiによるPixabayからの画像

今自分が生きているこの瞬間も、地球のあらゆるところで生命が生まれ、死んでいっている、そして懸命に生きている。その時の流れの中に自分は生きているということ。そして自分の一生はその流れの一部で、それは地球の歴史からしたらほんの一瞬でしかないということ。                とかなんとか壮大なことまで色々考えさせられてしまう本です。読んでいる間はほんとに星野さんと一緒にアラスカの大地にいるような感覚に陥ります。それは星野さんの文章の美しさがそうさせるのだと思います。読み終わった時いつもと同じ日常の景色が全く違うものに見えました。

「今を生きる」生きることの基本的な当たり前なことに改めて気づかせてくれる名作です。星野さんが遺した数々の写真も必見です。

「インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日」中村安希著          (ノンフィクション)

内容紹介

世界各地の生活に根付く“小さな声”を求めて
貧困、紛争、汚染、疫病。まことしやかに語られる世界は、本当は一体どんな姿をしているのか。自らの目で確かめるべく26歳の著者は2年間、47カ国にわたる旅に出た。第7回開高健ノンフィクション賞受賞作。(アマゾンより)

Эльвина ЯкубоваによるPixabayからの画像

感想

貧困とはなんだろう、物がないこと?お金がないこと?本当の貧しさとは生きる喜びをなくすこと、誰かを思う気持ちなくすこと。この本を読んでいてそう思った。

本書の中で著者は都会であればあるほど貧富の差はあると語っている。成功するものがいるということは、必ずそうでないものがいるということ。自分が楽しく暮らしているということは、誰かが絶望の中で暮らしているということ。それが今の資本主義社会に生きるということ。

アフリカの村のように皆が助け合って生きていく。すべてが皆のものという精神で生きていた時代のほうがよかったのか?

科学技術が発展し世界は便利になった、医療は進歩し人は長生きできるようになった。それ自体はもちろん素晴らしいことだとは思うけど、ではなぜこんなにも不幸な人がいるの?

今この時もどこかで戦争があって、殺人がおきて、人をいじめて、本当に大切なものを人類はどこかに置いてきてしまったんではないだろうか。

でもそんな世界でも、著者が旅の中で出会った世界のいろんな人たちのように、誰かを思うことができる人たちがたくさんいる。

この世界がこれからどうすればいいかなんて壮大なことは事はわからないけれど、誰かを思う気もちがこの世界を良い方向に向かわせる一番大事なことなんだと思う。

その場所にいかなければ知ることのできない本当のこと。そのタフな体で2年間の旅を続けられて、この本を通して大切なことを教えてくれた著者に感謝したい。そして著者の偽りのない自身の心境の変化をこの本に記してくれたことが、この本がただの旅行記ではない魅力的な本になってる要因だと思う。

現代社会は情報であふれている、その情報はすべてが真実とは限らない。その場所に行き、その人たちに会う、そこにのみ真実はあるのだと思う。

③「銀二貫」高田郁著(時代小説)

内容紹介

大坂天満の寒天問屋の主・和助は、仇討ちで父を亡くした鶴之輔を銀二貫で救う。大火で焼失した天満宮再建のための大金だった。引きとられ松吉と改めた少年は、商人の厳しい躾と生活に耐えていく。料理人嘉平と愛娘真帆ら情深い人々に支えられ、松吉は新たな寒天作りを志すが、またもや大火が町を襲い、真帆は顔半面に火傷を負い姿を消す…。(アマゾンより)

KokiHanadaによるPixabayからの画像

感想

何度も温かい涙があふれちゃう小説です。銀二貫をキーワードにこの時代の大坂の商人たちの愛、人情、底力を感じたほんまにええ話でした。

寒天問屋井川屋を中心に松吉が独り立ちするまでを描いているのだが、周りの人たちとの温かい関係がもう涙、涙で書ききれません。この小説に出てくる人たちは本当に自分より人のことを考えている。そこに深い絆が生まれる。これは自分自身が日々心にとめている「相手の気持ちを思いやる」ということを改めて思い返させてくれる(よく忘れて自分の事ばっかり考えてしまう人間です。)

この人たちのように周りの人たちと温かい関係を築けたら人生はきっと豊かになるだろう。人の幸せとは自分が悲しいとき、嬉しいとき、そばで同じように悲しんだり喜んだりしてくれる人が一人でもいることなんじゃないかと、そう思った読後でした。

④「錦繍(きんしゅう) 」宮本輝著(小説)

内容紹介

私はあなたにまさにひと目惚れでした。愛し合いながらも離婚した二人が、紅葉に染まる蔵王で十年を隔て再会した――。往復書簡がそれぞれの過去と思慕を炙り出す。恋愛小説の金字塔。会って話したのでは伝えようもない心の傷。14通の手紙が、それを書き尽くした。「前略 蔵王のダリア園から、ドッコ沼へ登るゴンドラ・リフトの中で、まさかあなたと再会するなんて、本当に想像すら出来ないことでした」運命的な事件ゆえ愛しながらも離婚した二人が、紅葉に染まる蔵王で十年の歳月を隔て再会した。そして、女は男に宛てて一通の手紙を書き綴る――。往復書簡が、それぞれの孤独を生きてきた男女の過去を埋め織りなす、愛と再生のロマン。(アマゾンより)

Mamoru MasumotoによるPixabayからの画像

感想

離婚した夫婦である亜紀と清明の手紙でのやりとりを小説にしたもので、二人の過去と現在に起きた事が手紙により徐々に明らかになっていく。読んではいけない他人の手紙を盗み見ているような気持ちで読んだ。ある事件をきっかけに離婚した二人が手紙からお互いの思いを知り、心を許し、話せなかった真実を語り合う。お互いが徐々に心を開いていく様が手紙にあらわれ、こんな二人でも離れ離れにならなければいけないのかと、男女関係の難しさを感じた。著者の文章、人物描写は美しく、素晴らしく、その情景が見たこともないのにありありと浮かんでくる。

亜紀がモーツァルトの曲を聴いて言った「生きていることと死んでいることは同じなのかもしれない」という言葉が心に残った。この小説全体に流れる死生観をこの言葉で表しているのかな。

読後ちょっと大人になった気分になる本です。

⑤「暇と退屈の倫理学」國分功一郎著(哲学)

内容紹介

人はパンがなければ生きてゆけない。しかし、パンだけで生きるべきでもない。私たちはパンだけでなく、バラも求めよう。生きることはバラで飾られなければならない。

「暇」とは何か。人間はいつから「退屈」しているのだろうか。答えに辿り着けない人生の問いと対峙するとき、哲学は大きな助けとなる。著者の導きでスピノザ、ルソー、ニーチェ、ハイデッガーなど先人たちの叡智を読み解けば、知の樹海で思索する喜びを発見するだろう――現代の消費社会において気晴らしと退屈が抱える問題点を鋭く指摘したベストセラー。(アマゾンより)

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StockSnapによるPixabayからの画像

感想

まずタイトルに惹かれた。暇、退屈、なぜ人はそう思うのか。。。面白そう。なんて安易な気持ちから購入した本でしたが、とんでもなく奥深い世界へと導かれる本でした。

そこには人間が定住生活をする以前の遊動生活を営んでいた遠い昔の話から、アメリカのフォード社の経営の話や、ダニの世界の話や、動物としての人間の話や、増補新版にある「傷と運命」というとんでもなく重要な話や、とにかく暇と退屈を解き明かすにはこんなにも様々な視点、角度から物事を考えなければ辿り着けない事なんだと恐れ入りました。自分の人生にまちがいなく影響を与えた1冊です。

自分は子供のころ、とても苦しい時代がありました。そんな時何かに没頭することで、その現実から逃れようとしていました、サッカー、TVゲームとか。その中にマンガや小説がありました。あの時こんな本を読んでいたら世界は違って見えたのかもと思います。息苦しい世の中だからこそ、その息苦しさの理由を解き明かすことができれば人は少しは楽に生きることができるのかもしれません。

何かを知ることは良いことばかりではない、時には絶望することもある。だけど、知りたい。そう思う心を大切にしたい。

いかがでしたか、どの本も本当におすすめの本ばかりなので是非読んでみて下さい。ではまた次回。

プロフィール
桃あんこ姫&とみきち

夫婦で思い付いた事を書いています。
夫 とみきち 元書店員
本好き、サッカー(アーセナル)好き。
自分が読んできておすすめしたい本を紹介していきます。
アーセナルについても個人的な感想を書いています。

妻 桃あんこ姫
管理栄養士、料理好き、本好き、美容の事や育児、日々の事を載せたいと思います。

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